Brunello di Montalcino Lisini 2003

gaznak2009-03-29


ロンドンのBerry Brothers & Ruddで買った3本のワインの内の最後。豊かな果実味とさわやかな酸味が同居し、若々しさを感じさせながらも、業種味がある味わいで、余韻が長い。サンジョベーゼ種はその酸味があまり得意ではなく、普段は手を伸ばさないが、前日にキャンティにかかわるちょっとした思い出があったので購入したのだった。

その前日に、Royal Albert Hallでカルメンを鑑賞した。2階のバルコニー席の内側にはその席(12席ほど)の観客が歓談できるためのスペースがそれぞれ設けられている。2人の女性客はビンごと買ったシャンパンをそこで飲んで、カルメンのあらすじについてにこやかに話をしていた。僕はグラスワインとしてサーブされていたキャンティを持ち込んで、横でそんな会話をゆったりとした気分で聞いていた。開演直前になって、ちょうど二人の席が僕の席で分断されてしまっていることを二人が話していることを知って、席をゆずったところ、にこやかにお礼を言われた。僕は僕で最前列の席に座れたことに礼を述べた。

なんでもない出来事だけれども、深紅の絨毯のホール、現代的な演出ながら歌をじっくり聴かせるカルメンとともに、妙に記憶に残っている。