ワインスクール修了式

この日はワインスクールの修了式。会場は愛宕グリーンヒルズにあるSalvatore Cuomo Brosだった。

大変景色がよく、開放的な会場。想像以上に参加者が多く、会場は200人近くはいただろうか。様々な年齢層・男女問わずいらっしゃっているが、女性は特にはなやかな装いの方が多く、いつもより少し非日常的な雰囲気に心も浮きたった。

先生と同じくらいのタイミングで入場したようで、先生と談笑しながら会場お奥へ。顔なじみのクラスメイトを何人も見つけ、クラスメイトどうしてしばし会話を楽しんだ。

サーブされたグラスワインの質が予想以上に高い。最初に飲んだ白ワインはなんだったのだろうか。琥珀色がかった艶のある色合いが美しく、コクがありながらも甘すぎない素晴らしい白だった。会場に展示されているマグナムサイズのワインが気になったが、なんとこちらも会場にサーブされた。こちらはChateau Lagrangeの1985年もの。ややオレンジがかった色合いに、グラスに少し鼻を近づけただけで豊かに感じる華やかな香り、余韻も上品で長く、大変楽しめた。

会場ではオークションが行われた。クラスメイトとは授業の合間は、隣の席に座らない限りはなかなかコミュニケーションをとることができなかったが、今回はそれを一気に取り戻すかのようにたくさんお話ができた。修了テストの点数がクラスで最高得点だったWさんのリーダーシップもあり、3本のワインをクラスメイトで入札。うち1本は、僕がスペインワインが好きなことを覚えていてくださり、Vega Sicilia UNICO 1990年が応札対象となった。結果は見事落札。しかも最低落札価格の25000円。後に先生が、楽天でも5万円を超えるワインであることを教えてくださった。こうした価格で落札できただけでなく、クラスメイトで割り勘にできるため、リーズナブルな値段で珠玉のワインを楽しめることとなる。クラスメイトからは、授業中もワインの感想を言い合ったりするなかで学び合ったが、こうした相乗効果もあることを実感した。

講師陣も個性的で魅力的な方ばかりだった。葉山孝太郎先生は、この後に著作に触れて一度にファンになったが、独特の雰囲気のなかあいさつをされて印象的だった。また、紫貴あき先生は美しいお嬢さんで、クラスメイトの何人かが写真を一緒にとっていたことから、さては別のクラスの方をナンパかななどと思ったが(不謹慎ですね)、なんと講師をやってみえるとのことで驚いた。

修了式は大変華やかに終わった。この後は先生に無理を言って、クラスメイトを含む15名で入れるお店を探していただき、お知り合いのソムリエがいらっしゃる西麻布のVINOBLEに移動。ウニコの持ち込みを許していただいただけでなく、ワインにお料理に、大変手ごろな価格で素晴らしく味わい深いものをご提供いただいた。いただいたなかでも、特に牛ホホ肉のワイン煮込みは忘れがたい。

その場でも即席でブラインドテイスティングが行われたが、なんの品種だろうとクラスメイトのDさんと語り合うなか、飲みながらそのワインを探究する会話をすること自体が大変贅沢な時間であることを感じた。

そしていよいよウニコの登場。恥ずかしながら、名前だけは聞いていたものの、スペインでもとびきりの高級ワインであることから試したことは一度もなかった。1990年のヴィンテージながら、鮮やかな紫色で古さをまったく感じさせないことにまずは驚く。そして、その複雑な香り。なめし皮、杉の木の香り、熟した果実といった香りが押し寄せてくる。味わいも強く、深く、余韻は驚くほどながい。僕も含め、そこには嘆息する声と表情ばかりだった。こんな贅沢な体験を1杯のワインがもたらすことの感動を、隣の席のGさんやKさんとシェアしていると、心地よい幸福感に包まれてきた。

先生、ソムリエ、スタッフに感謝をお伝えし、クラスによる再度のワイン会を約束しつつ、帰路に向かうが、そこでMさんたちに〆の(?)ラーメンに誘われる。高級ワインを堪能した後にラーメンなんて!という野暮なことは言うはずもなく、いそいそと六本木の一風堂に移動し、全部のせのとんこつラーメンによってこの日は幕を閉じました。その後もしばらく、林先生DさんGさんのブログを拝見して、その余韻にひたりました。。。

先生方やクラスメイトと半日近く過ごして、みなさんワインが好きなだけでなく、大変オープンマインドで、かつユーモアと知性のある方たちばかりと、ワインが取り持つ縁に深く感動しました。